球磨川とその流域
球磨川(くまがわ)は、熊本県南部を流れる九州を代表する一級河川で、流路延長約115km、流域面積約1,880km²を持つ河川です。最上川、富士川と並んで、日本三急流の一つとして知られます。流域は、水上村や五木村などの九州山地に源を発し、人吉盆地を貫き、山地の峡谷を抜けて八代海に注ぎます。
球磨川は単なる水資源ではなく、地域の文化や精神性とも深く結びついています。例えば、アユを中心とした漁業、急流を活かした川下り、河童などの水神信仰、稲作を中心とした豊かで多様な農業など、独自の文化圏が形成されてきました。
一方、水は生物の根源であり、球磨川流域は九州でも有数の生物多様性を支える場所となっています。九州山地の豊かな森林に蓄えられた水は、渓流、湿地、水田、河川、そして河口の汽水域へと繋がり、多様な生き物の生息環境を生み出しています。球磨川流域は、人々の暮らしや文化を支えると同時に、多様な生命が共存する生態系のネットワークを形成しており、自然と人との関係を象徴する場所となっています。
「共創の流域治水」と本サイトについて
本流域では近年、流域全体で水害リスクの低減と地域の持続的な発展を同時に目指す「共創の流域治水」が進められています。これは、河川整備だけに依存する従来の治水とは異なり、森林、農地、市街地など流域の多様な主体が協働し、水を貯め、遅らせ、受け止めることで洪水被害を軽減するとともに、自然環境や地域文化との調和を図る新しい流域管理の取り組みです。
本サイトでは、こうした取り組みの中で出会った生物たちを中心に紹介するとともに、それぞれの生き物が流域の環境の中でどのように逞しく生きているのかを、物語として伝えていきます。
さらに治水や生物多様性は、自然環境、地域の文化、歴史とも深く結びついています。そのため本サイトでは、生き物の紹介にとどまらず、流域に育まれてきた文化・歴史の視点からも、この地域の魅力と価値を紹介していきます。

